弓削商船創基百周年記念式典並びに事業の概要

弓削商船同窓会長 野々宮三郎

1.はじめに

本校は、明治34年(1901年)1月に、当時の弓削村及び岩城村の2か村による組合立弓削海員学校として弓削島に発足し、平成13年(2001年)1月で創基100周年を迎えました。
 創基100周年を迎えるに当たり、平成9年(1997年)10月に「弓削商船高等専門学校創立100周年記念事業委員会(委員長 弓削商船高専校長)」が設置され、引き続いて平成10年(1998年)11月には「弓削商船高等専門学校創基100周年記念事業後援会(会長 弓削商船同窓会長)」が設立され、記念行事や記念事業計画の推進及びそれにともなう募金活動など広く関係各位にご協力を仰ぎました。おかげを持ちまして、百周年記念式典や関係行事・事業の大半を滞りなく遂行、実施できました。
 以下に、その概要を報告させていただきます。
 なお、本校森田駿樹校長は百周年関係行事が迫る9月末に内臓疾患のため緊急入院・手術となり、百周年関係行事については本校小川量也教務主事が校長事務代理として指揮を執りました。

2.募金の状況等
 本校創基百周年記念式典並びに関連事業などの財源となる募金の状況につきましては次のとおりです。
 目標金額  30,000千円
 募金金額  39,385千円(平成13年11月2日現在、千円未満切捨)
   (内訳)
 同窓会  21,142千円
 後援会   4,635千円
 法人等   7,800千円
 教職員   5,750千円
 利息等      58千円

3.百周年記念式典・祝賀会
 平成13年11月2日午前11時から、本校第二体育館において記念式典が実施され、続いて本校第一体育館で2時間程度記念祝賀会が開催されました。
 記念式典は、文部科学省、愛媛県、弓削町や近隣市町村など国及び関係自治体の代表、韓国海洋大学校の代表、神戸商船大学、長岡科学技術大学、愛媛大学、四国地区の各高等専門学校、全国の各商船高等専門学校、地元小・中・高等学校や近隣中学校など学校関係の代表、国立高等専門学校協会、航海訓練所、全日本船舶職員協会、日本船員奨学会をはじめとする関係機関の代表、本校同窓会並びに後援会関係者、ご遺族、本校名誉教授など招待者・来賓289名、本校教職員65名、本校学生517名、計871名の出席、参加のもと、盛大かつ厳粛に執りおこなわれました。
 記念式典の式次第は次のとおりです。
一 開式の辞
二 君が代斉唱
三 校長式辞(小川校長事務代理代読)
四 文部科学大臣祝辞(中島文部科学省専門教育課課長補佐代読)
五 来賓祝辞
   愛媛県知事(前田副知事代読)
   木下弓削町長
   生越国専協会長
六 感謝状贈呈(故田坂初太郎氏、故小林善四郎氏、故小山亮氏、故坪内壽夫氏、弓削町)
七 祝電披露
八 校歌斉唱
九 閉式の辞
 感謝状は、本校創基100周年を記念して本校の発展に特に貢献のあった上記5名の方に対して贈られたもので、故田坂初太郎氏はお孫さんの田坂健一氏、故小林善四郎氏はお子さんの小林愛子氏、故坪内壽夫氏は養子となられた一色誠氏、弓削町は木下良一弓削町長がそれぞれ本人の代理として受け取られ、故小山亮氏は代理の方が欠席されたため感謝状を後送しました。
 記念祝賀会は、上記招待者・来賓、本校教職員など約350名あまりの参加のもと、ホテル奥道後の協力を得て、豪華かつ和やかなムードで満ち足りた時間となりました。
 記念祝賀会の式次第は次のとおりです。
一 開会の辞
二 校長挨拶(小川校長事務代理)
三 来賓祝辞(川村全日本船舶職員協会会長、米山阿南工業高等専門学校長)
四 鏡開き
 中島文部科学省専門教育課課長補佐、清水村上衆議院議員秘書、  前田愛媛県副知事、
 木下弓削町長、          川村全日本船舶職員協会会長、茅田日本船員奨学会監事、
 生越国立高等専門学校協会会長、  米山阿南工業高等専門学校長、金韓国海洋大学校海事大学副学長
 野々宮弓削商船同窓会長、     山崎前弓削商船同窓会長、  宮川弓削商船高専後援会長、
 小川弓削商船高専校長事務代理
五 乾杯(野々宮弓削商船同窓会長)
六 万歳三唱(宮川弓削商船高専後援会長)
七 閉会の辞

4.慰霊祭
 百周年記念式典に先立ち、同日午前9時30分から約40分、本校正門横に移設された「招魂碑」の前で、ご遺族24名、本校同窓会役員12名、本校職員9名、本校同窓生5名、本校学生代表2名並びに木下弓削町長、一色ホテル奥道後社長、田坂健一氏など総計55名の臨席のもと、神式及び仏式でしめやかに実施されました。
 慰霊祭の式次第は次のとおりです。
一 開式のことば
二 神式行事
三 仏式行事
四 祭文奉読(野々宮弓削商船同窓会長)
五 玉串奉奠・焼香(遺族代表、同窓会代表、学校代表、学生代表など)
六 昇神行事・回向
七 遺族代表挨拶(一色ホテル奥道後社長)
八 閉式のことば
 今回慰霊された関係物故者は、平成13年10月現在で初代校長小林善四郎先生をはじめ教職員105名、卒業生及び在籍者834名、合計939柱です。
 また、「招魂碑」は創基百周年を機会に本校正門横の現在の地に学寮地区から移設されました。移設理由は、学生、教職員そして外来者にも目につきやすく、常に物故者の精霊のご冥福を祈れる場所であるということです。
 「招魂碑」は、大正7年(1918年)に卒業生、学校関係者の醵金により建立され、当初は校庭の南東隅に設置されていました。その後、昭和38年(1963年)現在の白雲館(学生福利施設、平成12年12月竣工)の付近に移転、昭和48年(1973年)に日比地区にある学生寮の一画に再び移転されていたものです。

5.百周年記念碑除幕式
 同じく百周年記念式典に先立ち、同日午前10時頃から慰霊祭に引き続く形で、「百周年記念碑」の除幕式が本校正門横の「百周年記念碑」前で行われました。臨席者は、本校同窓会役員12名、本校職員9名、本校同窓生6名、本校学生代表2名、その他6名、総計35名でした。
 「百周年記念碑」除幕式の式次第は次のとおりです。
一 開式のことば
二 修祓の儀
三 降神の儀
四 献餞の儀
五 祝詞奏上
六 清祓の儀
七 除幕の儀
  除幕者は次のとおりです。
     野々宮弓削商船同窓会長  
     川口弓削商船同窓会副会長  
     田坂健一氏(本校創始者田坂初太郎氏の孫)
     東奈七嬢(本校創始者田坂初太郎氏の姉の曾孫の孫)
     山尾弘雄氏(記念碑揮亳者)
     木下弓削町長
     小川本校校長事務代理
     村上学生会長
八 玉串奉奠
九 撤餞の儀
十 昇神の儀
十一主催者挨拶(小川本校校長事務代理)
十二閉式のことば
 「百周年記念碑」には、伊予西条の通称「伊予の青石」と呼ばれるものが用いられています。この青石は、色が美しく、特有の小さな縞模様が全面的に入り、造化の神の不思議さを感じさせるといわれています。長い年月を経ているにも関わらず、変色したり色褪せたりしないので、本校永続の思いを込めて青石で記念碑を建立したわけです。
 また、記念碑の後方には、プロペラ(神運汽船社長 白石敏行氏寄贈)及び錨(内海曳船社長 四方祐二氏寄贈)の実物モニュメントが設置されています。

6.「百周年記念史料館」の開館
 百周年記念式典に合わせて、本校図書館施設内に「百周年記念史料館」を開館しました。
旧記念館においてあった展示品など、次のようなものを展示しています。
 (1)本校の歴史コーナー
     本校創始者田坂初太郎氏銅像
     本校の歴史沿革パネル
     本校ゆかりの人物説明パネル
     本校校舎の変遷の写真パネル
     大型帆船模型 など
 (2)旧記念館収蔵物コーナー
     各種航海計器(ログ、クロノメーター、六分儀など)
     各種航海用具(気圧計、霧中号角、磁器コンパス自差修正装置など)
     校名看板や書彫刻
     号鐘 など
 (3)学科展示コーナー
     総合教育科、商船学科、電子機械工学科、情報工学科のパネルやパンフレット、
     書籍、関連機器など
 (4)本校練習船コーナー
     歴代本校練習船「花陵丸」、初代「弓削丸」、二代目「弓削丸」、
     三代目「弓削丸」のパネルを展示
 (5)しまなみ海道展示コーナー
     各架橋の写真パネル
     しまなみ海道関連の各自治体や観光協会発行のパンフレット
     しまなみ海道関係自治体の市町村誌 など
 (6)村上水軍コーナー
     村上水軍城、村上水軍家系図などのパネル
     村上水軍ゆかりの場所の写真
     村上水軍関係の論文、書籍 など
 (7)中世の海運、塩の荘園コーナー
     東寺百合文書のパネル(弓削町)
     中世の瀬戸内海航路パネル
     関係文書、書籍の複製
 (8)韓国海洋大学校との交流コーナー
     韓国海洋大学校からの寄贈品
     交流時の写真パネル
     寄せ書きや記念品 など
 その他、関係ホームページなど閲覧用パソコンの設置や休憩・談話コーナーなどを整備し、図書館の開館に合わせて、自由に閲覧が可能となっています。

7.「百周年記念誌」の発刊
  記念式典に間に合わせる形で、同年10月22日に「百周年記念誌」が刊行されました。
 本誌は318ページのボリュームで、その目次は次のとおりです。
     序
     祝辞(8件)
     第1部 通史
     第2部 部門史
     第3部 資料・統計
     第4部 寄稿集
     第5部 創基百周年記念事業
     第6部 写真で見る弓削商船
 印刷部数は2500冊で、式典参加者には当日配布し、その他の寄付者及び関係各団体などには追録が完成しだい発送の予定です。

8.海王丸一般公開
 創基百周年行事の一貫として、練習帆船「海王丸」が実習訓練航海の途中、平成13年10月25日から28日まで弓削沖に来航し錨泊しました。26日の午後には本校学生の見学会が実施され、翌27日には一般公開が行われました。
 沖での停泊でしたので、本校学校桟橋から海上タクシーと本校実習船「はまかぜ」を用いて見学者の輸送を行いました。
 輸送の関係で、事前に申し込みを往復ハガキで受け付けたにも関わらず多くの方からの申し込みがあり、やむを得ず一部お断りをしたり、キャンセル待ちをしていただく場面もありましたが、県内外から約400名の方が見学され、盛況のうちに無事終了しました。

9.日本航海学会第105回講演会などの共催
 本校創基百周年を記念して、平成13年10月25日及び26日の2日間、本校が世話校となり日本航海学会第105回講演会並びに研究会が開催されました。
 今回の学会は本校百周年の共催事業として、本校の日本航海学会会員教官ばかりでなく、本校商船学科3年生28名も練習船「弓削丸」と共に学会の運営に協力しました。
 25日の講演会及び懇親会は尾道国際ホテルで開催し、講演会には36編の論文発表と150名あまりの参加者があり、また、懇親会には77名の参加者がありました。
 26日の研究会は、尾道駅前のしまなみ交流館及び尾道海技学院の2つの会場を利用し、午前中に5つの研究会、午後から4つの研究会を行うことができ、盛況のうちに無事終了することができました。
10.創立百周年記念日特別講演会
 本校創立記念日にあたる1月11日には創基百周年記念行事の一貫として、各界で活躍している本校卒業生に依頼して、本校学生、教職員を対象とした特別講演会を開催いたしました。
 講演していただいた講師は次のとおりです。
  1)坂山 英治氏(昭和54年9月本校機関学科卒業)
     現在 高知県中土佐町立久礼小学校教頭 
  2)中住 祐子氏(平成8年3月本校情報工学科卒業)
     現在 日信電子サービス(株)ソリューション推進部配属
  3)津田 敏彦氏(平成2年3月本校電子機械工学科卒業)
     現在 (株)本田技術研究所栃木研究所第12開発ブロック配属
 各氏とも学生時代の思い出を要所に折り込みながら興味深い講演をしていただき、学生、教職員とも充実した1日を過ごすことができました。

11.韓国海洋大学校親善訪問
 百周年記念事業の一つとして、平成13年4月30日から5月5日まで本校練習船「弓削丸」(総トン数240トン)で韓国海洋大学校を訪問し学生交流を行いました。
 参加者は学生20名(全学年からの選抜)、教職員26名(含む弓削丸乗組員)、計46名でした。
 韓国滞在中の行事は次のとおりです。
5月1日 午前 韓国釜山着、入国手続き後、海洋大学校に挨拶
     午後から出迎えてくれた海洋大学校の学生たちと学生同士の自由交歓会
  2日 午前 学生交流会・学内施設見学会
     昼食 海洋大学校学生寮にて学生同士の昼食会
     午後 スポーツ交歓会(ソフトバレーボール)、茶道その他の交歓行事
     夜間 本校主催の夕食会(韓国海洋大学校の先生方を市内ホテルに招待)
  3日 慶州見学(終日)
  4日 午前 離韓挨拶、出国手続き後、釜山出港
 短い滞在期間ではありましたが、平常授業日にもかかわらず韓国海洋大学校の学生や先生方の手厚い歓待を受け、有意義な時間を過ごすことができました。
 また、訪問にあたり代理店の手配や慶州見学、夕食会のアレンジにいたるまで大島良三氏(本校N43期)にはいろいろとお世話になりました。紙面をお借りしてお礼申し上げます。

12.その他の関連行事、事業など
 創基百周年記念式典以後の関連行事、事業としては次のようなものがあります。
(1)百周年記念講演会
 現在の本校校歌の作詞者である作詞家星野哲郎氏を招いて、11月17日午後2時より本校第二体育館で記念講演会(入場無料)を開催予定です。
 演題は「出会いこそ わが唄」で、ポスターを作成して、既にPRを行っています。
(2)同窓会名簿の発行
 同窓会名簿の最新版として、年度内に発行の予定です。
(3)同窓会誌「しらすな」の発行
 百周年関連記念行事の写真を中心とした百周年記念特集号として12月頃発行の予定です。
(4)国際交流基金の創設
 国際交流基金を創設し、国際交流の推進のために役立てていく予定です。

13.おわりに
 本校創基百周年記念行事並びに事業の概要を紹介してきました。11月2日の記念式典が一応の区切りとなり、関係行事並びに事業の大半は滞りなく終わりました。同窓生諸氏をはじめ多くの方々の寄金によりまして、今回の様々な行事、事業を遂行できました。深く感謝いたします。
 一方では、多くの方々の祝辞でも述べられておりましたが、本校は百周年と21世紀の幕開けを同時に迎える記念すべき節目を迎え、これから次の百年に向けて新たなスタートをしなければなりません。学生・教職員一同一生懸命頑張りますので、今後ますますのご指導・ご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
                       (文責 多田光男)