霧島丸慰霊訪問について
                                   
全船協事務局長 七呂 光雄

1 訪問日  平成22年12月24日 14時00分〜15時45分
2 訪問場所 鹿児島大学水産学部 (鹿児島市)
3 面会(敬称略)
  1)鹿児島商船学校同窓会          事務局長 野元準之助(奥様同行)
  2)鹿児島大学水産学部           学 部 長  野呂 忠秀、
                            准 教 授  小松 正治
                            事 務 長  新留 英史、
  3)鹿児島大学水産学部同窓会・漁水会 事務局長 辻口 忠男
                            専務理事 岩元 善巳、 
                            理   事 神ノ門 秀人、
  4)全船協                     会   長 内田 成孝
                            事務局長 七呂 光雄
4 訪問概要
1) 訪問のきっかけ
@ 全船協80周年記念事業に際し、全船協の生い立ちをあらわすパネルの作成のため、鹿児島大学水産学部の小松先生に霧島丸慰霊碑関連の写真撮影をお願いしたところ、写真とともに霧島丸に関連した記事を掲載した同水産学部同窓会漁水会会報も同封され、鹿児島商船学校の跡地に誕生した同学部で霧島丸遭難の教訓を残そうとする灯りが今でも守られている事がわかった。
A 会長が前@項に関し会報114号巻頭言でも触れ、同学部を表敬訪問したいと述べ、小松先生を通じて学部長との面会が実現できることとなった。

2) 慰霊碑への献花式
@ 当方で献花用の花を準備し、野元鹿児島商船事務局長及び奥様、辻口氏他2名の漁水会関係者で献花式を行った。
A 漁水会で「白菊の歌」の練習船歌をカセットテープで流してもらった。





3) 学部長との面会
@ 野呂、小松両先生、新留事務長及び野元鹿児島商船事務局長と50分程度の懇談を行った。
A 野呂先生は、既に全船協HP等で本協会について調べておられ、話は海運全体、水産業、練習船建造等多方面に渡った(※ 練習船建造については、丁度同学部の新鋭の1000トン型練習船が今春建造されるとの事)
         
                                                           野本事務局長  内田会長

B 同学部としても学部内にある慰霊碑や模型等が部外
者の方が関心を寄せているとは、余り認識していなかったとの事であった。
C 15時までの面会の約束であったが、丁重な対応で、
日本丸模型等の見学、学校の案内を学長自らされて15時45分に同学部を後にした。

                                右奥から  野呂学部長 小松准教授 新留事務局長                                                                                                  
4) 日本丸の模型
@ 日本丸が建造された時に作成された模型については、本協会50年誌でも述べられていないが、「漁水会」会報に同学部に渡った経緯等について述べられている。
A 過去には資料庫で保管されていた時もあったが、現在は管理棟の部屋に展示されている。
B デッキ上の細部は、本協会本部に設置されている模型よりも精巧で、特に手入れをしているわけでもないが、真鍮部分もピカピカしていた。
                  
5) 霧島丸遭難を記録した「壮烈」の額
@ 霧島丸の遭難に関連した写真が一枚物になった海図大の額である。
A 霧島丸の遭難に関した記念誌・会報等では、必ずと言っていいくらい霧島丸船影写真と白濱船長の鮮明な写真(展示パネルでも使用)が掲載されるが、この額の写真が原本であることがわかった。
B 殉職した実習生・乗組員の顔写真と氏名、葬儀の模様、救助に従事した船舶、関係した伊豆下田や銚子等が載っており、しばしたたずんでしまった。
C 昭和30年頃までは霧島丸遭難を記念すべき記念館がありそこで保管されていたが、現在は、日本丸模型展示室のある2階廊下の壁面に掲げられている。。
D 関係者なら驚く価値のあるこの二つの品がお互い近接して展示されていた。
E 保存状況は作成されて80年近くを過ぎてもガラスケースの中で、鮮明さが保たれていた。
                                             以上


         訪問を終えて

                                 全船協会長 内田 成孝

年末のご多忙の中、鹿児島大学水産学部訪問を快くお引き受けいただいた、野呂水産学部長を始め、小松準教授、新留事務局長、野元鹿児島商船学校同窓会事務局長、辻口鹿児島水産学部同窓会・魚水会事務局長には大変お世話になり、心より感謝申し上げます。
多くの船舶職員を輩出した、かっての鹿児島商船学校の跡を尋ね、「霧島丸慰霊碑」に参拝することは創立80周年のけじめであった。
全く風化せず、今、文字を彫り上げたように克明に刻まれた慰霊碑は、これから何年もこの地で「世の中」を「海運の将来」『船員の未来』を見届けることであろう。
また、「壮烈の額」は『壮烈』の書が東郷平八郎元帥の直筆で署名入りであり、克明に当時の記録を写真で再現している。海に生き、海で生活した我が身を思うと胸が熱くなった。これらの事実を語り継ぎ船舶の安全運航に役立たせなければならない事は、全船協の大きな役割であろう。
帆船日本丸模型については、大変精巧に製作されており、ケースに入り保存状態は良好であり、真鍮は光沢を帯びている。しばし見とれてしまった。
帆船不要論が叫ばれているが、未来の省エネ船舶は風力を利用した帆船商船が計画されている。省エネで船員を育てる、この教育方法はこれからも船員教育の原点であろうと、模型を見ながら、今も訓練している訓練生にエールを送った次第ある。

                                             以上