船員法・船員職業安定法・内航海運業法
            活性化3法改正の法律案要綱

3法案の改正概要が公表さる

 国土交通省はこのほど、 船員法・船員職業安定法・内航海運業法の3法案を含む 「海上運送事業の活性化のための船員法等の一部を改正する法律案」 を今通常国会に提出した。
 とともにこれと併せて、 同法律案の改正概要、 改正に係る条文および現行法と改正案の対照表などを記載した 「法律案要綱」 を公表した。
 このなかには、 社会的規制の見直しとして船員法関係では労働時間に係る規制の見直し、 船員職業安定法関係では船員派遣事業に係る制度の創設などが、 事業規制の見直しとして内航海運業法に係る参入規制の緩和などに関する所要の措置を講じるための法案が盛り込まれている。 今回公表された 「法律案要綱」 のうち、 3法案の改正概要をまとめたものは、 次のとおり。 なお、 カッコ内は各法律の改正事項に関係する条項を示したもの。

第一 船員法の一部改正

1 時問外及び補償休日の労働
一 船長は、 船舶の航海の安全を確保するため臨時の必要があるときは、 海員に時間外又は補償休日の労働をさせることができることとすること。 (第64条関係)
二 船舶所有者は、 労働組合等との書面による協定をし、 これを国土交通大臣に届け出た場合においては、 その協定で定めるところにより、 海員に時間外の労働をさせることができることとすること。 (第64条の 2 関係)
三 海員の労働時間は、 一日当たり14時間及び一週間当たり72時間を限度とすること。 ただし、 一の労働時間は算入しないものとすること。 (第65条の 2 関係)
2 雇入契約の成立等の届出
 船長は、 雇入契約の成立等があったときは、 遅滞なく、 国土交通大臣に届け出なけれぱならないこととし、 船長が届け出ることができないときは、 船舶所有者が、 船長に代わって届け出なけれぱならないこととすること。 (第37条関係)
3 船員労務官の権限
 船員労務官は、 船舶所有者又は船員が国土交通大臣が発する是正命令に従わない場合において、 船舶の航海の安全を確保するため緊急の必要があると認めるときは、 即時にその船舶の航行の停止を命じ、 又はその航行を差し止めることができることとすること。 (第108条の 2 関係)
4 その他
 罰則の規定の整備等所要の規定を整備することとすること。

第二 船員職業安定法の一部改正

1 目的の改正
 この法律は、 政府が地方公共団体等の協力を得て船員職業紹介等を行うこと、 政府以外の者の行う船員職業紹介事業等が海上労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整に果たすべき役割にかんがみその適正な運営を確保すること等により、 何人にもその能力及び資格に応じて公平かつ有効に船員の職業に就く機会を与えるとともに、 政府以外の海上企業に対する労働力の適正な充足を図り、 もって経済及び社会の発展に寄与することを目的とすること。 (第 1 条第 1 項関係)
2 船員派遣の定義
 この法律で 「船員派遣」 とは、 船舶所有者が、 自己の常時雇用する船員を、 当該雇用関係の下に、 かつ、 他人の指揮命令を受けて、 当該他人のために船員として労務に従事させることをいい、 当該他人に対し当該船員を当該他人に雇用させることを約してするものを含まないものとすること。 (第 6 条第11項関係)
3 船員職業紹介事業
一 学校等の施設の長は、 国土交通大臣に届け出て、 当該学校等の学生生徒等について、 無料の船員職業紹介事業を行うことができることとすること。 (第40条第 1 項関係)
二 無料船員職業紹介事業者は、 求職者の数その他船員職業紹介に関する事項を記載した事業報告書を作成し、 国土交通大臣に提出しなければならないこととすること。 (第39条及び第40条第 4 項関係)
4 船員派遣事業
一 船員派遣事業の適正な運営の確保に関する措置
(1) 国土交通大臣の許可を受けた者は、 船員派遺事業を行うことができることとすること。 (第54条から第60条まで関係)
(2) 船員派遣元事業主は、 当該船員派遣事業に係る派遣船員の数その他派遺船員に関する事項を記載した事業報告書及び収支決算書を作成し、 国土交通大臣に提出しなければならないこととすること。 (第64条第 1 項及び第 2 項関係)
二 派遣船員の就業条件の整備等に関する措置
(1) 船員派遣契約の当事者は、 船員派遺契約の締結に際し、 派遣船員が従事する業務の内容等を定めるとともに、 その内容の差異に応じて派遣船員の人数を定めなればならないこととすること。 (第66条第 1 項関係)
(2) 適正な派遣就業の確保、 派遣元責任者の選任、 派遺元管理台帳の作成等船員派遣元事業主の講ずべき措置等に関する規定を設けることとすること。 (第69条から第78条まで関係)
(3) 適正な派遣就業の確保、 派遣先責任者の選任、 派遺先管理台帳の作成等派遣先の講ずべき措置等に関する規定を設けることとすること。 (第79条から第88条まで関係)
(4) 派遺先に対して責任を負わせることが適当な事項等について船員法及び船員災害防止活動の促進に関する法律の適用の特例等に関する規定並びに船員法第 1 条第 1 項に規定する船舶以外の船舶への派遣に係る船員法及び船員保険法等の適用の特例に関する規定を設けるとともに、 関係法令の適用に関する規定を整備することとすること。 (第89条から第94条まで関係)
5 雑則
 国土交通大臣による船員派遣元事業主等に対する指導及び助言並びに改善命令等並びに派遣船員等からの国土交通大臣に対する申告に関する規定を整備することとすること。 (第96条から第103条まで関係)
6 その他
 罰則の規定の整備等所要の規定を整備することとすること。

第三 内航海運業法の一部改正

1 目的の改正

 この法律は、 内航運送の円滑かつ適確な運営を確保することにより、 内航海運業の健全な発達を図り、 もつて公共の福祉を増進することを目的とすること。 (第 1 条関係)
2 事業区分
 内航運送業と内航船舶貸渡業の事業区分を廃止することとすること。 (第 2 条関係)
3 参入規制
 内航海運業に係る参入規制を許可制から登録制に改めることとすること。 (第 3 条から第 7 条まで関係)
4 適正船腹量及び最高限度量制度並びに標準運賃及び標準貸渡料制度
 適正船腹量及び最高限度量制度並びに標準運賃及び標準貸渡料制度を廃止することとすること。 (第 2 条の 2、 第 2 条の 3、 第 6 条第 2 項、 第16条、 第18条、 第19条及び第25条の 3 関係)
5 運送約款制度
 内航海運業者(船舶の貸渡しをする事業のみを行う者を除く。 6一において同じ) は、 不特定多数の荷主に係る物品の運送に従事する船舶により内航運送をする事業を行おうとするときは、 当該内航運送をする事業に関し、 内航運送約款を定め、 その実施前に、 国土交通大臣に届け出なければならないこととすること。 (第 8 条関係)
6 運航管理制度
一 内航海運業者は、 運航管理規程を作成し、 国土交通大臣に届け出なければならないこととするとともに、 運航管理者を選任し、 国土交通大臣に届け出なければならないこととすること。 (第 9 条関係)
二 国土交通大臣は、 内航海運業者等に対し、 輸送の安全を確保するため必要な措置をとるべきことを命ずることができることとすること。 (第25条第 1 項関係)
7 その他
 罰則の規定の整備等所要の規定を整備することとすること。

第四 附則関係

1 この法律は、 公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。 (附則第 1 条関係)
2 この法律の施行に伴う所要の経過措置等を定めることとすること。 (附則第 2 条から第15条まで関係)
3 この法律の施行に伴い必要となる関係法律の規定の整備を行うこととすること。 (附則第16条から第24条まで関係)
                                                (内航海運新聞より)