ロボコン全国大会応援記          
平成23年11月22日

                      
                               広島商船高専校友会会長 山本 徳行

 北国の白銀のシーンが報じられ、木枯らしの吹く北風で冬の寒さを実感する季節となった。東日本の大震災と原発事故の放射能汚染で避難生活を余儀なくされている方々の防寒対策が気になるが、冬将軍に遠慮していただき今冬の温暖化を期待したい。
 11月20日第24回NHK高専ロボコン全国大会当日、東京は前日の豪雨が上がり、気温は上昇して汗ばむ程の好天に恵まれた。私は全国高専同窓会連合会の総会に出席するため前日上京していたのでホテルで朝食をゆっくりとり余裕を持って両国駅に向かった。両国駅から国技館周辺にかけて、全国8地区の大会で推薦された25チームの出場校の応援団と都内の一般入場者が参集するため歩道から国技館入口付近は多くの人で混雑していた。国技館の団体入口付近の集合場所で、京浜支部長や学校関係者が広島商船高専と京浜矢弓会と染め抜かれた幟を立てて、応援団を迎え入れていた。
 私は宇部で行われた中国大会にも愚妻を伴い応援に駆けつけた。2回戦でデフェンス・ロボットが不調で惜敗。しかし、オフェンス・ロボットの機敏な動作と正確なスローイング、ゴールの学生の見事なキャッチで素早くタッチダウンに成功。これが審査員の注目を惹き、常連校の面目躍如、アイデア賞に輝き推薦で全国大会への出場が決まった。早速、校友会幹部と相談して、2年ぶりのロボコン全国大会出場を機に特別応援資金を募ったところ、多くの校友からご寄付を賜りご賛同いただいた校友諸氏に心から感謝申し上げる。
 資金を活用して応援のために新調したジャンパーや一昨年ロボコン大賞受賞の際に着用した縁起の良い法被が、大崎島から遠路上京した学校関係者や保護者、京浜地区の校友と同伴のご家族の皆様に配られ、見栄えのする応援体勢は整った。特筆すべきは、全船協から会長はじめ専務理事や他の商船高専のOBも応援に駆けつけて下さり、一般の高専にはない絆の強さを改めて認識すると共に、多額の寄付金まで頂戴し心温まるご支援に深く感謝した。
 我が広島商船の50名を越す応援団は東側の升席に陣取り、本番に備えて応援の打ち合わせを終えたのは開始一時間前だった。広島商船高専を全国にアピールする絶好の機会だ。
 選手の士気を鼓舞するにため激励の横断幕を升席の前部に張り、応援団の存在を明示した。新調した応援用のジャンパーは色鮮やかな濃紺、背中に染め技かれた「広島商船高専」が一際目立つ代物だった。各出場校の応援団も、校名入りで色とりどりの法被やジャンパーを着用し、所定の升席で応援体勢を整えていた。
 今年の競技課題は「ロボ・ボール」。攻撃と守備の2台のロボットでアメフト方式の競技を行う。2足歩行のオフェンス・ロボット(攻撃)がスローワーゾーンで、自チームの学生から受取ったボールを、対戦相手のディフェンス・ロボット(守備)をかいくぐり、ゴールに待機しているチームメートの学生にノーバウンドでタッチダウンパスを送る。タッチダウンパスが成功するまでのタイムを競い、ロボットと人間がともに戦う新しいゲームだ。
 競技は2チームによる対戦方式で、攻守交代して一回ずつ行い先攻・後攻それぞれの競技時間は各1分30秒の短時間の勝負である。
 開演に先立ち、アメフトの応援で有名な日大のチアーリーダー、Dippersの乙女達が、リズミカルで鮮やかな演技を技露し大会を盛上げた。彼女たちに迎えられてロボコン大会ではお馴染みのロボット「ASIMO」が中央から登場した。技術の急速な進歩でユーモアと人間に近い仕草に成長した「ASIMO」の登場は、近い将来、ロボット人間の可能性を示唆する光景であった。その「ASⅠMO」により、常連で美人の神田愛花NHKアナウンサーが紹介され彼女の司会で開会式は進行された。大観衆が見守る中、各チーム3名の選手団の入場である。我が広島商船チームも揃いのユニホーム姿で元気よく入場した。主催者の高等専門学校連合会会長の挨拶に続き、北九州高専のチームリーダー酒井文也君の力強い「選手宣言」で開会式を終え競技が開始された。
 広島商船の攻撃ロボット、飛ばし魔手伴バシマシュ)が登場したのは1回戦の第4ゲーム、相手は東北地区の強豪校、仙台高専(名取キャンバス)、昨年のロボコン大賞を受賞した手強い相手であった。大震災で部活が制約されたにも拘らず「がんばろう」を合言葉に全国大会出場を果たした活気溢れたチームだ。
 先攻は仙台高専のロボット名「OR(オーアール)」。スタートソーンからキャッチソーンヘ歩行、安定したオフェンス・ロボットがスローワーから素早くボールを受け取り、エンドゾーンの学生(レシーバー)に向けパスを送る、指定されたゾーン内でレシーバーが正確にキャッチしタッチダウン成功、その間僅かに9秒、最速の記録である。広島商船のデフェンスロボットは迅速に行動し、素早く遮蔽ネットを張って防御したが、余りにも早いバス・ボールを阻止することは出来なかった。
 タッチダウンまでの時間、最速9秒に挑戦である。後攻の広島商船高専のロボット飛ばし魔手(トバシマシュ)、安定した2足歩行でスタートゾーンからスロワーゾーンに向かったが、仙台のORに比べて若干緩慢だ。スローワーからボールを受け取り、仙台のデフェンス・ロボットの果敢なデフェンスを避けて、天井に届かんばかりの高いボールを送ったのはスタートから20秒後だった。スムースに一役目のパスボールをレシーバーが確実にキャッチ、タッチダウンに成功したのは22秒、13秒の大差で勝負が決まった。横断幕を張り懸命に応援したが、残念ながら一回戦での敗退であった。
 2回戦から各地区で優勝した、シード校の登場だ。8試合の内、5校のシード校が準々決勝に進出したが、準決勝では一回戦を勝ち抜いた2校とシードの2校の対決となった。
 一際目立ったのは、広島商船と対戦して勝ち進んだ仙台高専チームだ。決勝までの4試合全てが10秒以下での勝利で驚異的な成績であった。
 福島高専は準決勝で長野高専と対戦し同タイムながら、審査員判定で幸運にも決勝に進出した。その結果、くしくも決勝は東北の震災校、仙台と福島の対決となった。
 観衆が固唾を呑んで見守る中、仙台高専が5試合連続で10秒以内のタッチダウンに成功、優勝に花を添えた。加えて、タッチダウンまでの時間、最速8秒を記録した快挙を高く評価し、2年連続してロボコン大賞にも輝いた。震災を耐え抜き「がんばろう」を合言葉にチーム一丸となって戦いぬいた仙台高専に、国技館の大観衆は惜しみない柏手を贈り心から祝福して、成功裡に大会は閉じられた。
 優勝枝の仙台高専と一回戦で対戦した広島商船は名誉であり、敗退を悔いることなく今回の経験を糧にして、益々努力を重ね将来の健闘を期待したい。例年のように、両国のちゃんこ屋で打ち上げの会を催し、若いロボコンチーム(現在3年生主体)の健闘を称えると共に、来年の大会に向け精進するよう激励した。
 大会の成績は残念な結果でしたが、全船協
の内田会長をはじめ、応援に参加いただいた
皆様には大会終了まで長時間お付き合い頂
き、心から感謝申し上げる。
 本当にありがとうございました。