「函館商船学校の卒業記念アルバム」のコピーが全船協へ

           「北海道廳立函館商船學校第三十一回卒業記念写眞帖 昭和十年三月」
                
 
函館商船学校は、全国に11あった公立商船学校の一つで明治12年創設された歴史と伝統のある学校であったが、昭和10年3月に廃校となった。
 商船学校教育では、帆船実習が行われているが、実際に帆船に乗り込む前に陸上において操作の基本を習得するため「帆船模型」が学校にあった。
 同商船学校跡地にある函館水産高等学校で机上用帆船模型が保管されていることがわかり船名も「北光丸」と読み取る事ができたが、廃校後46年を過ぎてのことであった。
 全船協では、創立50周年の記念事業の一つとして模型帆船「北光丸」の復元に取り組む事になり、昭和56年航海訓練所の練習船「大成丸」で横浜へ移送され、その後関係者の様々な努力の末復元され、現在横浜港大桟橋国際客船ターミナルで展示されている。
 このように廃校になっても北光丸復元で函館商船学校の名前が残るばかりか、同校の校地校舎を引き継ぎ、昭和10年函館水産高校が開校し函館商船学校の伝統も引き継がれている。
 昨年「北光丸」竣工時の記念写真が手に入り、この写真を元にマストトップに掲げられていた函館商船学校旗のレプリカが作られ、これを横浜港で展示されている「北光丸」のマストに掲げるため2年生約160名が修学旅行で横浜港を訪れた際、全船協も立ち会い贈呈式が行われた。  
 また、今年8月に練習帆船「海王丸」が函館港に寄港した時に「北海道廳立函館商船學校第三十一回卒業記念写眞帖 昭和十年三月」という題名の卒業記念アルバムが同船へ渡された。
 昭和10年当時、函館商船学校最後の卒業生である第31回卒業生の記念アルバムの作成を担当された、紺野写真館の田村和子様が、ご自分が保管していたものを、平成7年に函館市立図書館に寄贈された。
 今回、田村様が同市立図書館に保管されているアルバムのコピーを取られ、海王丸に託されたのである。
 航海訓練所から、このようなアルバムであれば、正に全船協にとって関わりのあるものとして、CDに収録した写真が全船協へ寄贈された。
 今では、全船協会員に函館商船学校出身者もいないように時代は流れているが、現存する5校以外の廃校となった6校の出身者も全船協のもとで一丸となって活動してきたことや、廃校時の苦悩を忘れてはいけないところである。 (文責 事務局長)