巻  頭  言



                     危機管理意識の高揚

                             全船協常務理事 相 川 康 明

 米国のリーマン・ショックに始まる世界同時不況後、企業経営もコストに見合わないものはカットする社会的構造変化と同時に、公益法人の再構築が平成25年11月までに求められています。当全日本船舶職員協会(以下全船協という)も例外ではなく、昨年から公益社団法人から一般社団法人へ方向転換し来年春の移行を目指しています。
今春、当全船協会員の意思確認を実施したところ会員数は、約2,700名から一挙に1,400名台に減少しました。平成8年当時、認可当局より会費の増額と会員の増強について指導があったと理解しています。数十年前までは、なんとなく「協会に属していれば何かにつけ、仲間として安心」と思われていたし、協会に属していることだけで特に不満も無いように見えました。しかし、社会的構造変化に対し協会も無関係でいられなくなりました。最近、当役員会でも「会費に見合ったメリットがない」イコール「協会に属していても意味が無い」と云う批判の声が強まりました。
日本経済は数々のショックやリセッションを乗り越え今日に至っていますが今回の震災は「一つの時代の区切りが来た」という人も多く、日本経済同様に当全船協も過去の延長線上にはデザインできない時代に入ったと思います。普通は、重要な問題が何ヵ月後、一年後、或は、5年後に起こるかもしれない「想定外」のことは、経営にはつきものです。出来る仕事もコスト要因で出来なくなることも有ります。20年程前に日本的経営として米国から逆輸入された、TQM(トータル クウオリテー マネージメント)やサプライチエーン構造では、「想定外」はありえなかった。想像性の発揮が今問われているようでならない。
会員が全船協に求めているものは「明確なメリット」であり、「会員でいて良かった」と思われる「会員による会員のための協会」にする必要があります。
この課題を改善するために、本年5月に開催された平成23年度通常総会で、本年度の事業計画として、以下の方針を決定しました。
継続事業として、1、海事に関する調査研究 2、商船教育・乗船研修制度 3、会誌発行/図書発行/講演会 4、船員職業紹介事業 5、その他事業として (1) 海事関係団体との連携交流。(2) 各校同窓会との連携交流。
また、会の活性化と会員獲得への取組として (1) 準会員制度の導入。(2) 会員カードの発給。(3) 練習船での全船協の存在をアピール。(4) 水産高校など商船高専以外の出身者の会員獲得に取り組む。(5) 懇親会やゴルフなどレクリエーション活動の強化。(6) 会員との情報交換のためのIT化。(7) 企業の世話人との連携強化。
さらに、財務体質の見直しと強化として (1) 活動を維持しつつ、支出の最大限の抑制と、後継者育成を図る。(2) 基本財産の運用益が図れるよう見直す。(3) 支部体制の活性化と見直し。(4) 新たな収益事業の検討。(5) 一般社団法人への移行認可手続きの実施。
スポーツマン スピリット「One for all, All for one」の精神の意識を持って、東日本大震災の復興と会員の皆さんへの利益の為、皆で助け合い、頑張りたいと思います。