(社) 全日本船舶職員協会 理事
海事補佐人 田中 善治
はじめに
昨年の夏、 横浜で小・中学校のクラス会を開いた折、 郷里山形から男性二人が駆けつけてくれた。 そのうちの一人、 朝倉君が地元のライオンズクラブのメンバーで、 私が時々講演していることを知り、 山形にも来てくれるか? ということだった。
そして10月末に彼から電話があって日程を調整した結果、 本年1月21日 (木) クラブ例会の席でスピーチすることとなった。
スピーチの内容や機材等の事前準備は現地ライオンズクラブ事務局とのやり取りで進めた。
講演の内容;
1、 海上輸送の役割: 日本の輸出入、 資源の乏しい日本、 日本籍船と日本人船員
2、 船の種類:CD 映像
3、 パナマとスエズ:CD 映像、 運河の仕組み
4、 船内生活あれこれ:陸上との違い、 船長の職務と権限
5、 その他
当日
クラブ例会は山形市のパレスグランデールの会議室で12:15開会である。 私は朝倉君と一緒に12:45会場入りして準備した。
出席者は15名で昼食を済ませ、 クラブ例会の慣習に従い開会し、 会長挨拶のあとすぐゲストスピーチとなった。
クラブ会員はその地域で活躍されている見識の高い立派な方々である。 スピーチ時間30分ということもあって、 内容はポイントをおさえてストレートに話すことにした。 「輸出入の現状と海上輸送の役割」 のあと、 プロジェクターで各種船舶やドックに行かなければ見ることができないスクリュープロペラ、 更にスエズとパナマのことなどをお話した。
海や船などほとんど馴染みのない土地柄であり、 皆さん興味をもって聞いてくれたと思う。 質疑応答の時間を取れなかったのが心残りである。
感想文
当日司会をされた高橋様から感想文をいただいた。 誌面の都合上、 多少補筆加除させていただきましたことをご容赦下さい。
高橋 泉
とても楽しく拝聴させていただきました。 時間が許すならもっといろいろお話を伺いたかった。 質問したいこともたくさんあったのですが・・・。
男の子は乗り物が大好きです。 私も自動車・飛行機・船の玩具や模型などを買ってもらいました。 それを見ているだけで未知なる世界への夢がかき立てられるのでした。
成人した今は車の運転はあたり前、 お客として飛行機や船にも乗ることができます。 しかし、 飛行機を操縦したり船を操船する体験はできないことです。
自分たちが体験していない船のお話を聞くことができて興味がつきませんでした。 物資の輸送をほぼ100%海運に依存しながら、 日本商船に乗る日本人が3.71%しかいないことがとても気になりました。
グローバル化の時代、 海外の製品と競争する日本製品のコストダウンのためには致し方の ないのかもしれませんが、 なんとか優秀な日本人船員の伝統を絶やさないようにしていけないものかと思います。 また、 日本の技術がパナマでもスエズ運河でも用いられているということに嬉しさを感じました。
日本人の物作りの緻密さ、 優秀さにつながるお話です。
このようなお話を伺うと日本の生き残る道が自ずと見えてくるように思います。 日本人でなければ出来ないこと、 そして世界が日本に期待すること、 その視点を持って現代の状況を見直してみたいと思いました。
ご講演本当にありがとうございました。
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