時 事 寸 評


                                                   
 
                 練習船と 「事業仕分け」

 昨年の政権交代以降、 「事業仕分け」 という言葉が流行語となった。
 この 「事業仕分け」 が船員養成の分野、 特に航海訓練所や海技教育機構 (旧海員学校) への運営費交付金に矛先が向けられている。 「費用がかかりすぎる」 「学生の授業料負担を増額すべきだ」 という議論から、 航海訓練所の存在意義、 各学校所有の練習船の意義など、 次第に練習船の在り方にまで及んでおり、 さらに 「船員養成に国交省系の海技教育機構、 文科省系の商船高専や大学系があるが整理すべきだ」 など、 練習船問題は次第に議論が広がりつつある。
 練習船に関しては、 本誌本号に寄稿された 「霧島丸」 遭難の歴史から明らかな通り、 この遭難が今日の航海訓練所方式が生まれるきっかけとなったことを銘記すべきである。
 さらに、 海洋基本法に基づく 「日本人船員確保育成」 の観点を外れた、 単なる予算減らしの議論は慎んでほしいものである。
(T・H)