巻  頭  言





                                                会長 川 村   赳

 新年に当り、 多種多彩な職種・職域、 また厳しい生活諸環境の中で、 ご活躍されておられる会員の皆さんに、 謹んで、 ご挨拶申し上げます。
 ご承知の通り、 現在、 世界経済は 「百年に一度あるかないか」 と専門家が指摘する未曾有の嵐の中にあり、 その火元である米国の FRB は12月16日、 史上初のゼロ金利政策に踏み込むと同時に 「量的緩和政策」 を打ち出し、 デフレ危機を抑え込む強い決意を示しました。 これを受け世界の主要6中央銀行が新たな流動性対策を提示し、 また日銀も金融政策決定会合で追従し、 市場への資金供給策を拡充しました。
 しかし、 主要国の政府・中央銀行がそろって危機封じ策を総動員しても、 まだ実体経済回復の出口は見えず、 市場は崩壊のままに思えてなりません。 特にわが国の場合、 07年7月の参議院選挙以降のねじれ国会の中で、 国民の信を問う衆議院総選挙を回避してきたため、 政府は有事に直面する強力な体制を組めず、 内閣支持率は激減しつつあります。 先日、 09年度予算・財務省原案が内示されましたが、 一般会計規模は過去最大、 税収はその半分ほどという深刻な内容であり、 不況脱出への中長期的展望を欠くとの評価が一般的であります。 国民の視線で見て、 困難な時代の暮らしの不安を取り除くための、 本質、 本格的な路線の転換は期待できないようであります。
 さて、 本協会が直面する幾つかの課題について触れて参りたいと思います。
 その第一は、 われらの母校、 商船高等専門学校の高度化再編の課題であります。 商船高専各校は06年4月 「独立行政法人国立高等専門学校機構」 という一つの法人に纏り歩み始めて以来、 行財政改革の観点等から一貫して再編整備を求められてきました。 昨年8月、 富山商船高専は、 富山工業高専と09年10月統合 (10年4月・新学科学生受け入れ) し、 6学科4専攻科からなる富山高等専門学校 (仮称) となることが決まりました (公表資料は下記をご覧下さい)。 他の四校についても富山と同様に同一県内もしくは近隣の国立高専との高度化再編が求められています。 高専再編には幾つかの課題がありますが、 国交省にあっては海上運送法の一部改正に際し、 日本人船員の確保の意義及び目標を 「基本方針」 として定めました。 高専における海技者教育は国家政策を担保するものであり、 高度化再編には十分且つ綿密な対策と事前の関係者間の連携は欠かせない条件であります。 三ヵ年に亘る五校商船学科 「現代 GP」 の成果も、 各校の未来に必ず貢献するでしょう。 本協会は、 当事者として各同窓組織を始め会員各位との連帯を一層深めつつ、 事業計画に基づき取り組んでいく方針であります。
 次の課題は、 「公益法人」 改革関連諸法律が、 昨年12月1日に施行されたことであります。 ここから5年間のうちに本協会も公益法人か一般法人に移行しなければならず、 本協会の事業計画では 「新公益法人」 へ向け挑戦することとしております。 しかし認定に向けた事務量が膨大であるなど、 予想外の問題点も見えてきました。 これらについて皆さんと共に検討を続け、 より良き法人の途を探りたいと思っております。
 本年は、 あらゆる面で大きな変動の年になりそうであります。 皆さん、 今後とも力を合わせ、 希望の持てる未来を切り開いて参りましょう! ご健勝をお祈りします。

       
     
                                                                 
 資料    
                                      平成20年8月22日

                国立高等専門学校の高度化再編について

                                      独立行政法人国立高等専門学校機構

 国立高等専門学校 (高専) は、 中学卒業後の5年間の一貫教育により、 実践的・創造的技術者を養成し、 地域・社会や産業界等から高い評価を受けております。
 一方、 近年の我が国においては社会経済環境の変化等、 高専を取り巻く状況が大きく変化するなか、 当機構では、 国立高等専門学校の更なる改革を図りつつ、 教育の質の向上・高度化、 地域社会との連携機能の強化、 広域連携の核となる高専を目指して、 宮城、 富山、 香川、 熊本の4地区における高専の高度化再編について検討を進めてまいりました。
 このたび、 4地区において、 地域社会のニーズに沿った学科構成、 専攻科の拡充、 共同利用型のセンター設置などを柱とした具体の構想がまとまり、 それぞれの地区の教育資源を結集した新しいタイプの高専の設置 (平成21年10月設置、 平成22年4月学生受入開始予定) に向けて準備を進めることといたしましたので、 お知らせいたします。
 今後、 概算要求や国立高等専門学校機構法の改正等について、 関係者に対して必要な措置をお願いしてまいりますので、 引き続き御支援賜りますようお願いいたします。

○別添:高度化再編の内容
○参考:各地区プラン  

                      (本件連絡先)
                     〒1930834 東京都八王子市東浅川町7012
                     独立行政法人国立高等専門学校機構
                     電話 0426623122  理  事 木谷雅人
                            3124  事務局長 大槻秀明


                                                                 
別添
国立高等専門学校機構
高度化再編の内容


◎高度化再編の特色
〇4つの地区で8高専の再編により、 新モデルの4高専を設置 (平成21年10月設置、 平成22年4月学生受入開始予定)
○教育研究資源の結集により、 本科教育充実、 専攻科の拡充など教育の質を向上
○学科再編により、 科学技術の融合化・複合化に対応
○全県域・広域での地域連携を強化
〇2つのキャンパスは維持
○高度化再編に合わせて専攻科の拡充や地域イノベーションセンターなどを設置

◎高度化再編の内容
 仙台高等専門学校 (仮称) ‥・所在地:宮城県仙台市 (名取、 広瀬の2キャンパスで構成)
○大括りの 2 工学系の中に複合技術分野の学科を設置し、 視野の広い技術者を育成 (宮城工業高専と仙台電波高専を高度化再編)
    <生産システムデザイン工学系>     <情報電子システム工学系>
       (名取キャンパス)            (広瀬キャンパス)
      ・機械システム工学科       ・情報エレクトロニクス工学科
      ・電気システム工学科       ・情報システム工学科 
      ・マテリアル環境工学科      ・情報ネットワーク工学科
      ・建築デザイン学科
※入学定員:各学科40名

富山高等専門学校 (仮称) …所在地:富山県富山市 (本郷、 射水の2キャンパスで構成)
○工学系、 人文社会系、 商船系という多様な学科構成を活かし、 各学科の教育交流により幅広い視野を持つ技術者、 ビジネスパーソンを育成 (富山工業高専と富山商船高専を高度化再編)
        <本郷キャンパス>        <射水キャンパス>
       ・機械システム工学科        ・電子情報工学科
       ・電気・システム制御工学科     ・国際ビジネス学科
       ・物質化学工学科          ・商船学科
※入学定員:各学科 40 名
香川高等専門学校 (仮称) …所在地:香川県高松市 (高松、 詫間の2キャンパスで構成)
〇2工学系に大括り化し、 産業技術の複合化・高度化に対応できる教育研究の充実強化、 教育研究面での地域連携体制の強化 (高松工業高専と詫間電波高専を高度化再編)
 <創造基礎工学系 (高松キャンパス)>  <電子情報通信工学系 (詫間キャンパス)>
  ・機械工学科                 ・通信ネットワーク工学科
  ・電気情報工学科              ・電子システム工学科
  ・機械電子システム工学科          ・情報システム工学科
  ・建設環境工学科
※入学定員:各学科40名

熊本高等専門学校 (仮称) …所在地:熊本県八代市 (熊本、 八代の2キャンパスで構成)
〇ICT を核とする専門分野間の融合・複合化を進め、 現代社会に貢献できる実践的・創造的な技術者を育成 (熊本電波高専と八代工業高専を高度化再編)
   <電子情報系 (熊本キャンパス)>     <複合工学系 (八代キャンパス)>
   ・情報通信エレクトロニクス工学科     ・機械知能システム工学科
   ・制御情報システム工学科         ・建築社会デザイン工学科
   ・人間情報システム工学科         ・生物化学システム工学科
※入学定員:各学科40名

◎専攻科の拡充
○専攻科組織を見直し、 拡充
 仙台高等専門学校 (仮称) ……生産システムデザイン工学専攻
               情報電子システム工学専攻
 富山高等専門学校 (仮称) ……エコデザイン工学専攻
               制御情報システム工学専攻
               国際ビジネス学専攻
               海事システム工学専攻
 香川高等専門学校 (仮称) ……創造工学専攻
               電子情報通信工学専攻
 熊本高等専門学校 (仮称) ……電子情報システム工学専攻
               生産システム工学専攻

◎広域拠点センターの設置
○地域連携、 教育支援、 国際交流等の機能を持つ共同利用型の各センターを創設



                 富山県内国立高専の高度化再編について

                                           平成20年8月22日
                                         富山工業高等専門学校
                                         富山商船高等専門学校

 両校はこれまで、 独立行政法人国立高等専門学校機構 (理事長:河野 伊一郎) の方針に基づき、 平成21年10月の統合を目指して協議を進めてまいりましたが、 このたび、 新しい学科構成、 地域連携の強化、 専攻科教育の充実等を含む高度化再編構想がまとまりましたので、 お知らせします。

 これにより、 22年4月から、 新しい学科に学生を受け入れていくこととなります。
 今後、 この構想に基づいて詳細を詰めるとともに、 地域の中学校、 関係団体・企業等にも、 順次ご説明していく予定です。 関係者の皆様には、 ご理解・ご協力お願い申し上げます。

    本件に関する問い合わせ先:
     富山市本郷町13番地 (富山工業高等専門学校)
     独立行政法人国立高等専門学校機構
     富山地区事務部  事務部長  杉森 伸平  電話 0764935401

高度化再編の内容
  (概要)
○富山工業高等専門学校と富山商船高等専門学校を統合・高度化再編し、 新たに 「富山高等専門学校」 を設置する。
○キャンパスは、 本郷 (現・富山工業高専) 及び射水 (現・富山商船高専) の両キャンパスを維持・活用する。 なお、 代表所在地は本郷キャンパスとする。
○統合に際し、 新学科を設置するとともに、 地域連携の強化、 専攻科教育の充実等を図り、 より高度な人材育成を目指す。

  (学科構成)
○現在の各高専4学科、 計8学科を6学科に再編し、 本郷、 射水の両キャンパスに、 3学科ずつ配置する。
○工学系・文科系・商船系の3分野の学科を有する特色を活かし、 キャンパス間・系間・学科間の連携を強化することにより、 教育内容を充実させる。   (専攻科の充実)
○これまで専攻科のなかった国際ビジネス分野についても、 専攻科を設置し、 全ての学生に専攻科進学の道を拓く。
○より高度な知識・技術を有する人材を多数育成するため、 専攻科の入学定員を増加する予定。

  (地域連携等の強化)
○教員の研究能力を活用して、 地域企業等との共同研究、 技術相談等を推進し、 地域や産業の活性化に貢献する (地域イノベーションセンター)。
○地域企業の技術者等の協力を得て、 その有する知識・技術を高専教育に活用し、 高度
 な職業人養成を図るとともに、 社会人再教育等を推進する (教育技術センター)。
○環日本海地域に立地する特徴を生かして国際性ある人材を輩出するため、 語学教育及
 び異文化教育を充実させる (国際教育センター)。
○地域社会の持続的発展を目指し、 環境に配慮した技術力・実務力を有する人材を育成
 するため、 環境教育を充実させる。

  (各学科の教育内容)
機械システム工学科:ものづくり、 生産技術の基盤となる機械システムについて、 環境や省資源・省エネルギに配慮した技術開発を行う技術者の育成を目指し、 材料製造からシステム構築までを通した総合的な知識・技術を教授する。
電気・システム制御工学科:電気と機械の技術を中核とする知能化複合システムの開発と活用を支える技術者の育成を目指し、 電気・電子、 機械、 自動制御、 情報通信、 人工知能等の複合分野で必要とされる幅広い知識・技術を教授する。
物質化学工学科:医薬品に代表される地域の重要産業である化学・薬品工業及び高分子工業の根幹を支える技術者の育成を目指し、 物質の合成、 分析、 品質管理、 利用など一連の化学プロセスを構築する知識・技術を教授する。
電子情報工学科:情報通信社会の基盤となるディジタル技術の生産現場を担う技術者の育成を目指し、 ソフトウェア技術、 電子技術、 通信ネットワーク技術に関する知識・技術を教授する。
国際ビジネス学科:環日本海地域において国際的に活躍し、 地域社会及び地域産業に貢献できるビジネスパーソンの育成を目指し、 経営・商学、 流通・貿易、 地域学、 情報処理、 プレゼンテーション、 語学等に関する知識・技術を教授する。
商船学科:我が国の産業活動や国民生活を支える外航海運業に携わる海事技術者の育成を目指し、 航海・測位・法規、 機関・電気・制御など海事に関わる実践的な知識・技術を教授するとともに、 リーダーシップ、 責任感、 協調性等の資質を養う。