巻頭言
          新たな年の幕開けに当り
 
                                      会  長 川 村   赳

 新たな年の幕開けに当り、 本協会を代表し謹んでご挨拶申し上げます。
 すでに報告しご承知頂いているところですが、 本協会は平成 13 年度通常総会の議決により、 将来わが国船員の海技伝承のための中心的役割を担うコースタル部門への取組みと、 商船高専の独立行政法人移行に伴う諸課題を並列に捉えて、 長期展望の下に事業計画を立案し、 会員総結集体制と自主自立路線の確立に挑戦して参りました。
 その後、 これも会報で都度お知らせしてきているところですが、 内航海運業法・船員法・船員職業安定法の一部改正を含む海上運送活性化3法の成立、 船主協会が打ち出した海運諸政策や水先制度抜本改革等の論議、 国土交通省所管・船員教育3独立法人の統合・再編論議と結論、 更には 「日本人ゼロ配乗の日本籍船」 についての労使合意など、 海運界を取り巻く環境は急速に、 しかも大きく変革を続けております。 そして、 これらの動向の基軸には国家の在り方に直接関わる行・財政改革路線が敷かれており、 「小さくて効率的な政府」 の実現に向けてと題し、 官・民からなる審議組織が一斉に一定の方向を目指しているようであります。
 中でも、 規制改革・民間開放推進会議にあっては、 「民でできるものは民へ」 の具体化や公共サービスの質の維持向上・経費の削減等を図るための手法として、 市場化テスト法的なものの本格的導入、 官業の民間開放の推進、 規制の見直し基準の策定等を具体的に示し、 平成18年度からの本格的導入に向けて取組みを進めております。 更に 「市場化テスト」 については平成17年度から国 (独立行政法人を含む) の事業を対象に、 本格的導入に向けた制度設計に資するためとして3分野8事業にわたる 「モデル事業」 を明示し実施を求めているところであります。
 一方、 現行の公益法人制度については民法制定以来100余年にわたり見直しされていないとか、 公益性の判断基準が不明確であり、 営利法人類似の法人が存続しているなど種々の批判を受け、 昨年12月には 「公益法人改革の基本的枠組み」 を閣議決定し、 現在 「新たな非営利法人制度」 の法制化に向け検討が進められております。 またこれに対応し、 税制調査会ワーキンググループでは新たな非営利法人に関する課税のあり方等について検討し、 基本的考え方を取りまとめ世に問うたところであります。
 さて、 これらの一連の動向を追うと、 わが国社会経済システムの転換に際し、 官、 民ではない 「公」 の役割が極めて曖昧なことに気付かされます。 本協会は、 公益活動の特徴である社会環境の変化に対応し新しい公益を常に探求する先見性を大切にし、 皆さんと共に積極的かつ自律的に活動を続ける所存です。 一層ご協力下さい。
 本誌 「全船協」 は、 数えて100号の記念誌であります。 先輩諸兄から激励のご寄稿を賜りました。 より積極的な活動をお約束いたしつつ、 心より御礼申し上げます。